The Kotae team collaborating in a meeting room, with team members reviewing laptops and a dashboard on-screen while a designer sketches ideas on a whiteboard.

Kotaeのデザイン:使いやすいAIチャットボットのために、私たちが選んだ4つの判断

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Trang / Product Designer

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この記事のポイント

  • 多くのチャットボットに「使いづらさ」を感じるのは、企業側の都合を優先して作られているためです

  • Kotaeは、導入・引き継ぎ・個性・分析という4つの視点から、使いやすさを設計しています

  • 特に重視したのは「人による対応への引き継ぎ」を、失敗ではなく機能として設計することです

Kotaeのチームに加わってから、ずっと頭の中にあった問いがあります。それは——

「多くの企業が問い合わせ対応に課題を抱え、その上サポートツールを使うことにさえ疲れてしまっているのはなぜだろう?」

この問いが、私たちの設計判断のほぼすべてを形づくりました。そして、私たちが中小企業にとって本当に使いやすいサポートツールをどう考えたのか、デザイナーの視点からお話しします。

忙しい経営者が抱えていた、本当の悩み

ワイヤーフレームを描き始める前に、私たちは何十人もの中小企業の経営者に話を聞きました。個人店の店主、一人で会社を立ち上げた創業者、勢いのあるスタートアップの運用担当者たち。そこで見えてきたパターンはいつも同じでした。

お客様からの質問は、夜の11時や休日、あるいは新商品のローンチ中——つまり誰も対応できないタイミングにやってくる。既存のチャットボットは、導入に技術的なハードルが高すぎるか、逆にありきたりで無機質な回答しか返せず、お客様をむしろ不機嫌にさせてしまう。

私たちは「またありがちなチャットボット」を作りたくなかった。作りたかったのは、事業とお客様の間に立つ「壁」ではなく、もう一人の頼れるチームメンバーのような存在です。

そこで私たちは、「AIに何ができるか」ではなく、「忙しい人が安心して使い続けられるか」を基準に、設計を見直していきました。特に大きかったのが、次の4つの判断です。

判断①:導入は「3ステップ」までに削った

初期のプロトタイプには、設定画面の中にさらに設定画面がある、という構造でした。学習データソース、トーンの調整、エスカレーションルール、連携先のオン/オフ……機能としては強力でしたが、正直なところ、運用する側にとっては負担の大きいものでした。ユーザーテストで何度も同じ声を聞きました。

「経営者に、チャットボットの管理者になる時間なんてない」

そこで、思い切って3ステップまで削り込みました。

1. 学習(Train) — 自社サイトとファイルを読み込ませるだけ

2. ブランドに合わせる(Match your brand) — トーン・人格・見た目を軽く調整

3. 公開(Publish) — ワンクリックでサイトに反映

分析機能や高度なカスタマイズ、外部連携などは、必須ではなく「あとから深められる余地」として設計しました。どこまでこだわるかは自由。でも、こだわらなくても、すぐに公開できる——それが大切でした。

判断②:人への引き継ぎを、機能として設計した

これは、私が一番こだわった部分です。

「何でも答えられる」と振る舞うチャットボットは、間違えた瞬間に信頼をゼロにします。だからこそ、Kotaeのエスカレーション(有人対応への引き継ぎ)は、「担当者に代わります」と言えることこそが機能であるという前提で設計しました。

引き継ぎメッセージの言葉選び、事業者に届く通知のタイミング、会話の文脈が引き継ぎ後も途切れずに残る仕組み——どれも些細なことですが、テストでは、この一点が「これなら公開しても安心できる」という信頼につながることが分かりました。

判断③:個性は固定ではなく、グラデーションで変えられるようにした

初期ユーザーからよく聞いた言葉があります。

「うちのチャットボットが、チャットボットっぽく話すのは嫌なんです」

当たり前のようで、実はこれこそがブランドの個性そのものです。だから私たちは、固定の「アシスタント人格」を用意するのではなく、トーン・役割・言語を直接調整できるように設計しました。上品なスキンケアブランドと、堅めのBtoB SaaSが、同じKotaeを使っても、まったく違う「声」で話せるようにです。

判断④:分析機能は、一度捨てかけて、残した

Kotaeのダッシュボード画面。総ユーザー数、会話の概要、セッション分析、国別ユーザー数、エスカレーション一覧、フィードバック評価が表示されている。」

分析機能は、正直、一度はスコープから外そうとしていました。「作りすぎでは?」と社内でも議論になったからです。

でも、初期ユーザーから「お客様がこんなことを聞いてくるなんて知らなかった」という声を聞いた瞬間、これは残すべきだと確信しました。だから、掘り下げないと分からないダッシュボードではなく、「お客様が実際に何を聞いているか」がひと目で分かる、軽やかな「気づきの窓」として設計しました。質問に答えるだけのチャットボットと、お客様を理解する手助けをしてくれるチャットボット——その差がここにあります。

Kotaeが他のAIチャットボットと違う点

一般的なチャットボットの多くは、質問に対してとにかく答えを返そうとします。分からない場合でも、それらしい回答を返してしまうことがあり、結果としてお客様の不信感につながることがあります。また、設定項目が多く、公開前に多くの調整が必要になる製品も少なくありません。

Kotaeは、この2点に対して異なるアプローチをとっています。分からない質問には無理に答えず、人への引き継ぎを前提とした設計にしていること。そして、公開までを3ステップに絞り、最初から多くの設定を求めないこと。これらは、私たちが実際の運用場面を見ながら選んだ違いです。

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