
要点
多くのAIツールは、表計算ファイルを文書と同じように読み込み、表の構造を崩したうえで、一部の行だけを見て回答します。
Kotaeはシート内の表をひとつずつ切り分けて認識し、計算が必要な質問には全行を対象に計算します。
回答は根拠となった行まで辿れます。ファイルは自社の環境内で処理され、外部のサービスには渡りません。
Kotaeは、企業向けのAIチャットボットです。自社の文書や表計算ファイルを読み込ませ、いつものの言葉で質問すると、答えが返ってきます。
なお、Kotaeは現在、90日間の無料トライアルを実施しています(先着30社限定、2026年9月16日まで)。詳しくは https://kotae.ai/campaign をご覧ください。以下では、まずAIが抱える表計算処理の課題についてご説明します。
誤った数字は、静かに経営判断に入り込む
「今年の支出合計はいくらか」
「前四半期の新規顧客は何件か」
こうした質問の答えが表計算ファイルの中にあるとき、多くのAIツールは、自信に満ちた流暢な文章で、まったく違う数字を返します。
問題は、その誤りに気づく手がかりがないことです。エラーも警告も出ません。数字はもっともらしい形で提示され、そのまま会議資料に載り、意思決定の前提になります。誤りが判明するのは、たいてい判断を下したあとです。
現場で起きているのは、次のいずれかです。担当者が毎回自分で集計し直して確認している(AIを導入した意味が薄れています)。あるいは、確認せずに使っている(こちらのほうが深刻です)。
原因はAIの計算能力ではありません。ファイルの「読み方」に理由があります。表計算ファイルは、多くのツールの読み方を二通りの形で破綻させます。
原因1:表計算ファイルは文書ではない
WordファイルやPDFであれば、多くのAIツールは十分に機能します。ExcelファイルやCSVは事情が異なります。
実際の業務で使われるシートは、きれいな一枚の表であることはほとんどありません。ひとつのシートに複数の表が並び、隅に集計欄があり、見出し、脚注、署名欄、数式が同じ面に混在しています。人が見れば、どこが価格表で、どこが集計で、どこが備考かは一目で判別できます。
多くのツールにはそれができません。シート全体をそのまま複写して、ひとつの塊としてAIに渡します。その結果、AIは表の切れ目を判別できず、数値を別の項目の値として扱ったり、意図しない表から数字を引いてきたりします。

原因2:答えが1行で収まっていない
AIツールは質問を受け取ると、ファイルの中から関連しそうな箇所を探し、見つけた内容をもとに文章を組み立てます。規程やマニュアルであれば、この方法で問題ありません。答えは通常、一段落の中に収まっています。
表計算ファイルはそうではありません。「合計はいくらか」の答えは、どの1行にも書かれていません。すべての行を網羅して初めて分かります。
関連しそうな30行だけを取り出して集計すれば、出てくるのは権威ありげな、しかし根拠のない数字です。しかも誤った数字は、正しい数字とまったく同じ見た目で提示されます。「一部のデータから算出しました」という注意書きは付きません。

Kotaeの対処法
考え方は二つです。
ファイル全体を構造ごと読む。 Kotaeは、人が見るのと同じようにシートを読みます。シート内の表をひとつずつ切り分け、それぞれの数値を対応する項目名と区分に紐づけて保持します。多くのツールが捨ててしまう数式やリンクも維持します。結果として、AIが扱えるのは、意味づけの整った情報になります。
推測ではなく計算する。 計算が必要な質問には、全行を対象に計算を実行します。「地域別の支出合計は」という質問には、該当列を実際に合計して答えます。一部を読んで推定することはしません。
この違いが、「だいたい合っている答え」と「正確な答え」を分けます。
現場のファイルは、整っていない
実務で使われる表計算ファイルが、教科書のような整ったデータでないことは、業務に携わる方であればご存知のとおりです。最下行に合計行があり、表の上にタイトルと日付が入り、空欄には「N/A」や「未定」と書かれ、商品コードには先頭のゼロが付き、日付の表記は複数の形式が混在します。CSVは特に厄介です。列の意味を人に伝えていた書式情報が失われ、文字列だけが残ります。
これらはすべて、読み方を誤れば静かに答えを狂わせます。Kotaeは、事前にファイルを整えていただくことを前提にしていません。この種の乱れへの対応は、きれいなサンプルでしか動かないデモと、実際に業務で出力されたファイルで使える仕組みとを分ける部分であり、開発上もっとも難しい部分です。
根拠を辿れること
もうひとつ、私たちが重視した点があります。
Kotaeが数字を答えたとき、その答えは根拠となった行までたどれます。どの範囲を、どの列で集計したのかを確認できます。
そして、確実に答えられない場合には、もっともらしい数字をつくらず、答えられないことをそのまま伝えます。
ときどき「わかりません」と申告するツールのほうが、たいてい正しいが決して迷いを見せないツールより、実務では有用です。意思決定に使う数字において、正確さを伴わない自信は、最も避けたい組み合わせです。
自社環境で処理し、速く、費用も抑える
精度以外に、経営判断として確認しておきたい点が三つあります。
情報の管理。 Kotaeは、お客様の環境内で表計算ファイルを読み取ります。外部の解析サービスに送信しません。多くのAIツールは逆の仕組みで、ファイルを断片に分割し、外部の事業者に送って索引化した上で質問に答えます。Kotaeはこれを行いません。アップロード時点で、外部のモデルがファイルを見ることはありません。顧客情報や財務情報を扱う場合、この違いは導入可否そのものに関わります。
処理速度。 ファイルの処理は1秒未満です。外部サービスへの送信も待ち時間もありません。
費用。 ファイル1件ごと、ページ1枚ごとの解析料金は発生しません。件数が増えるほど費用が膨らむ構造ではありません。
一般的なAI文書ツールは、紙をスキャンした書類を読み取り、見た目を忠実に再現することに長けています。Kotaeが得意とするのは別の領域です。ExcelやCSVそのものを理解し、どの表があり、各列が何を意味するかを踏まえて、正しい数字を返すことです。
Kotaeでできること

まとめ
多くのAIツールは、表計算ファイルを文書として扱い、ざっと読んで答えます。Kotaeは表計算ファイルとして扱い、計算して答えます。
同じ質問を同じファイルに対して何度も繰り返しているのであれば、まずは自社のファイルでお試しください。
現在、90日間の無料キャンペーンを実施しています。初期費用・月額費用はかかりません。導入コンサルティングと初期設定の代行も含まれます。先着30社限定、2026年9月16日までのお申し込みが対象です。
お申し込みはこちらから: https://kotae.ai/campaign
制作メンバー
Kotaeの表計算ファイル対応は、次のメンバーで開発しました。
Duy Cung - AIエンジニア
Dr. K.P. - AIエンジニア
Alice L. - QAテスター
Tony V. - プロダクトマネージャー